社会課題の解決から始まったHITOWAの事業
現代の日本社会は、共働き世帯の増加、少子化、超高齢社会、労働人口の減少、さらには気候変動、資源・エネルギーの枯渇など、多くの変化や課題に直面しています。
当社グループは1997年の創業以来、このような社会の移り変わりを背景に高まる生活者の幅広いニーズにお応えするため、保育園や老人ホームなどの運営、ハウスクリーニングや家事代行サービス、介護施設における給食サービスの提供など、人とくらしに寄り添うビジネスを展開してきました。
もともと社会課題を解決することが私たちの仕事であり、それはサステナブルな社会の実現を目指すSDGsの目標とも志を同じくするものです。人が生まれ、成長し、健やかな日常を送り、穏やかな老後を迎える。これらひとつひとつの局面で、人の手を介したサービスでお客様のくらしを支え、感動と満足をお届けする。それが当社グループの存在意義であると考えます。
50年後も100年後も、あらゆる人が豊かで幸せに暮らせる社会の実現を目指して。当社グループは今後も社会課題に真摯に向き合い、人とくらしに寄り添いながら、より良い明日を支えていきます。
働き世代を支え、ひいては日本を元気にしたい
少子高齢化や労働人口の減少、共働き世代の増加に伴い、子育て、介護、家事、仕事と家庭や社会を支える「働き世代」に大きな負担がかかっています。さまざまな会社で働き方改革が推し進められるようになって久しいですが、当社では、改めてグループが展開する子育て支援、ライフサポート、介護、フードサービスの各事業が「働き世代」のワークライフバランスの充実化に貢献し、「働き世代」にとって安心して働くことのできる日常の基盤になるものと認識しています。当社がご提供させていただくサービスで皆様をお支えすることで、日本全体を元気にしていきたいとの強い思いから、グループ一丸となって社会課題を解決していくことを目指しています。
DXを通じた社会課題の解決
DX(デジタルトランスフォーメーション)はこれまでもこれからも当社グループが一層力を注いでいきたい分野です。グループでは、デジタル化を促進することで、サービスの品質向上と社員の業務効率化・負担軽減の両立を図っています。特に、これまで手書きの申請書類など、ややアナログな業務形態が多かった保育・介護の現場では特にDXの果たす役割が大きいと考えています。
当社グループでの具体的なDXの事例を紹介しますと、介護の夜間スタッフの業務負担の軽減とお客様の安心・安全な生活環境の実現を目指し、IoTとAIを駆使した見守りシステムの導入を進めています。パナソニック社と共同実証を行った「LIFELENS」は、ベッドに装着したシートセンサーが、体動・呼吸レベル・心拍レベルを検知し、従来は訪室するまでわからなかったお客様のご様子や状況をシステムで確認できる24時間見守りシステムです。ケアの必要性や優先順位を遠隔から判断できるようになったことで、従来の夜間巡視にかかっていた時間を約90%削減することができました。スタッフの負担が軽減された分、より多くの時間を直接お客様と触れ合う時間やケアに充当できるようになっています。
また保育においては、煩雑な作業に追われていた保護者・保育園・自治体の負担を大幅に軽減することを目標に、手書きでの連絡帳の記入や、検温・食事・睡眠・排泄といった健康記録などをデジタル化し、スマートフォンなどでタイムリーに確認できる「キッズダイアリー」や、保育園と自治体間の請求申請、審査、給付計算などのあらゆる業務を一元化するシステム「キッズコネクト」を開発・運用しており、多方面よりご好評をいただいています。
今後も積極的なDXにより、保育・介護に関わるすべての当事者にとって満足が実感できるサービスを目指すとともに、グループの相互連携を含めたDX活用を推し進めます。
社員一人ひとりが生き生きと活躍する会社
当社グループはもともと従業員の7割、管理職の4割が女性であり、一般的な企業と比べて女性が中心的に活躍しているという特徴がありました。そのため、女性従業員がご家族と過ごすゆとりを確保するところから端を発し、男性社員を含むすべての従業員が理想のワークライフバランスを実現できるよう、スーパーフレックス制度の導入などの働き方改革を早くから進めてきました。
その結果、女性活躍推進として「えるぼし認定」(3段階目)、また次世代育成支援として「くるみん認定」を取得したほか、「健康経営優良法人」「障害者雇用優良中小事業主」に認定されるなど、ここ数年で高い評価をいただけるようになりました。
またHITOWAグループは、社員一人ひとりの成長や、業務を通して得られる「経験価値向上」が、私たちが企業として掲げる「社会課題の解決」に直結していると考えています。お客様へより高いレベルの「感動と満足」を提供し続けることが、社員一人ひとりの働きがいにつながり続けるよう、私たちは社員の経験価値向上を実現する人財育成に取り組んでいきます。
世界中の人とくらしを将来世代にわたって支え続けます
当社グループが向き合ってきた高齢社会、少子化などの問題は、日本のみでなく、他の多くの国が抱える世界共通の社会課題です。最近では、他国からグループの事業状況を視察にくる方々も増えています。創業以来、当社グループが培ってきた知見・ノウハウを生かし、将来的には世界の人々のくらしも支えていけるようチャレンジしていきたいと考えています。
情報が溢れ、高速で流れていく時代だからこそ、当社グループはこれからも人と人の「和」を大切にしながら、心から喜んでいただける「生活総合支援サービス」を提供し、世界中の人とくらしを支え続けます。
代表取締役社長 日髙 博美