グループ人事担当役員メッセージ

少子超高齢社会における人財不足への対応

人とくらしに寄り添う事業を展開するHITOWAグループにとって、「人の手を介したサービス」は価値源泉であると言えます。しかし、日本では少子高齢化が一層進み、人財不足が深刻な課題です。2040年代になると、65歳以上の人口がピークを迎え、高齢化率も30%台後半まで上昇します。(※1)そうしたなかで、介護業界で働く人は2022年時点で215万人ですが、2040年には業界全体で57万人の追加人員が必要だと予測されています。(※2)また、保育業界では現在、待機児童が減少し、少子化が進行する一方で、保育士は不足しています。給食業界に目を向けると、インバウンド需要が高まるなか、飲食店との間で調理師の獲得競争が生じています。人財不足への対応は、当社グループにとって、重要な経営課題であり、最大の人事課題です。

人財マネジメントの最適化で、社員の経験価値を向上

人財不足に対応するため、HITOWAグループではDXによる生産性向上と同時に、人財マネジメントの最適化に力を注いできました。2023年10月には、新たな人財マネジメントシステムを構築し、グループ各社での取り組みを開始しています。人財マネジメントシステム では、社員が入社から退職までに経験する「成長」「機会」「支援」「評価」「基盤」の領域それぞれに、マテリアリティ、アクションプラン、KPIを設定しました。社員が採用から退職までの間に直面する課題を分析し、解決に向けた取り組みを行うとともに、対応状況を進捗とともに可視化しているのです。これによりめざすのは、社員がHITOWAグループで働くことで得られる「経験価値」の向上です。私たちが経験価値に着目するのは、社員の働きがいを向上させることが、結果的に顧客価値を改善し、グループの企業価値につながるためにほかなりません。

多様性への理解を強みとして、将来を見据えた職場づくりを

一方、HITOWAグループの強みは、多様性への理解だと考えています。HITOWAグループはあらゆる世代のくらしを支えていることから、多様なお客様にサービスを提供しています。グループの価値源泉である「人の手を介したサービス」を提供していくうえでは、必然的に従業員も多様となり、それゆえ多様性の大切さが社員の間で理解されています。これは、事業特性から生じた大きな強みです。今後、日本の人口がさらに減少していくなか、外国人材の活用も含めて、職場の多様性を今以上に高めていく必要があります。多様性のある職場づくりを加速させ、人とくらしに寄り添うサービスを将来にわたって提供するための基盤構築に努めていきます。

社員一人ひとりの幸せを実現できる、働きがいある企業へ

私自身も、社会でくらす生活者の一人として、私なりの幸せの形があります。HITOWAグループに集う社員一人ひとりも、それぞれが求める幸せの形があるでしょう。多様性の本質とは、「一人ひとり異なる幸せの形を認めること」ではないでしょうか。人財マネジメントの最適化を通じて、私は、多様なバックグラウンドを持つ社員がそれぞれの幸せに向けて活躍している姿を実現していきたいと考えています。経営層の一人としては、経営視点での人財戦略も考えていかなければなりませんが、社員一人ひとりの幸せと人財戦略の方向性が重なる部分を増やしていくことこそ、お客様により良いサービスを提供し続けるための源です。これからも社員一人ひとりの声に一層耳を傾け、課題の把握とその改善、進捗の可視化に注力し、より働きがいのある会社をめざしていきます。

  • ※1厚生労働省 「令和6年版高齢社会白書」
  • ※2厚生労働省 「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(報道発表資料)

グループ人事担当役員 伊東 祐徳