HITOWAケアサービス、ライオン株式会社と高齢者のQOL向上につながる体操の実証実験を実施
~ 3つの機能(口腔・睡眠・運動器)を楽しくトレーニングできるゲーム機『TANO-LT』を先行導入 ~
生活総合支援サービスを提供するHITOWAグループで、有料老人ホーム「イリーゼ」等を国内で約130施設(※1) 運営するHITOWAケアサービス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 袴田 義輝、以下HITOWAケアサービス)は、このたびライオン株式会社(本社:東京都墨田区/代表取締役社長 掬川 正純、以下ライオン)が東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 松平 浩特任教授(トランクソリューション株式会社技術顧問)と共同開発した体操を、運営する施設に導入し、高齢者のQOLを向上するための実証実験を実施しました。
このたび開発された「健口眠体操®(けんこうみんたいそう)」(※2)は、ライオンと東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座 松平 浩特任教授(トランクソリューション株式会社技術顧問)が共同開発したもので、3つの機能(口腔・睡眠・運動器)を同時にトレーニングすることができます。
HITOWAケアサービスは、この体操の効果を検証するにあたり、ライオンがTANOTECH株式会社(以下TANOTECH)と共同で「健口眠体操®」をゲーム化し、介護施設で高齢者が楽しく継続的に体操を行えるように工夫した介護施設向けゲーム機『TANO-LT』を先行導入しました。
1.背景
現在、全国で約 1,600 万人の高齢者が運動器機能や認知機能の低下、口腔機能の低下による嚥下障害など、日常生活にさまざまな課題を抱えていると推計されています(※3)。この課題に対応するため、ライオンと東京⼤学医学部附属病院 22世紀医療センター松平 浩特任教授およびトランクソリューション株式会社(代表取締役社長・村尾 勤)は「健口眠体操」を2022年1月に開発しました(※4)。本体操は、座ったまま、5分間で21種類の運動を実施可能な体操で、口腔・睡眠・運動器の3つの機能を「同時に」トレーニングすることができます。
ライオンは、この体操を無理なく楽しく続けてもらうためにゲーミフィケーション(※5)の考えを取り入れ、TANOTECHのゲームシステム「TANO」に導入されている、身体の動きをセンシングする技術と「健口眠体操」を組み合わせたバーチャルゲームプログラムを開発しました(※6)。「TANO」に「健口眠体操」のバーチャルゲームプログラムを搭載した、介護施設向けゲーム機『TANO-LT』は、2022年9月27日に販売されています。
HITOWAケアサービスは、運営する施設のご入居者様の「自立支援のための介護予防・フレイル予防」「高齢者施設における運動習慣の仕組みづくり」「健康促進による稼働の高度安定化への貢献」を目的に、ライオンと共同でこのたびの実証実験を実施することとなりました。
2.実証実験概要
- 先行導入施設
- HITOWAケアサービス株式会社 介護付き有料老人ホーム イリーゼ練馬石神井台
- 先行導入日
- 2022年9月8日
- 利用者
- 14人
3.実証実験結果
このたび行った実証実験では、対象者を14名選定し、事前に身体機能計測を実施しました。その後、週に3日程度、「健口眠体操®」 と『TANO-LT』を使った体操やレクリエーションに参加いただき、1週間後に「運動機能」「口腔機能」の2つの機能における効果を検証しました。その結果、「運動機能」では、足腰、関節のしなやかさで改善が見られ、「口腔機能」では、口唇・頬の力・動き、舌の力・動きに効果が見られました。引き続き、2週間後、1か月後と効果検証をしながら、「運動機能」「口腔機能」以外にも「睡眠効率」や「QOL評価」などへの効果も測定していく予定です。
1) 運動機能(足腰の健康、関節のしなやかさ)
足腰の健康は「5m歩行テスト」、関節のしなやかさは「TUG (Timed Up and Go Test)」により効果を測定した。
TUG: 肘掛のついた椅子にゆったりと腰かけた状態から立ち上がり、3mを心地よい早さで歩き、折り返してから再び深く着座するまでの様子を観察するもの
2) 口腔機能(口唇と頬の力・動き、舌の力・動き)
「パタカテスト」により効果を測定した。
パタカテスト:測定機に向かって「パ」の連続発音を5秒間行い、1秒間あたりの発音回数を求めた。(「タ」についても同様)
4.『TANO-LT』概要
「TANO」とは、モーションセンサーを利用した福祉・介護・教育現場向けのゲーム機で、センサーの前に立つだけで、180種類以上の運動・発声・脳活性化プログラムを行うことができます。『TANO-LT』は、「TANO」に通常搭載されているプログラムに加え「健口眠体操®」プログラムを利用することができます。 画面に表示された「健口眠体操®」の動きを真似すると、センサーが骨格を読み取り、正しい動きと照らし合わせて骨格の一致率を点数化し、リアルタイムに表示します。これにより、自分の点数を上げる努力のきっかけを作ったり、他の人と競い合ったりなど、ゲーム感覚で体操を行うことができます。楽しくトレーニングを続けられることで、加齢により心身が老い衰える"フレイル"の予防を期待できます。
HITOWAケアサービスは今後当実験の検証を行い、他の施設への導入を検討する予定です。これからも、科学的に効果を示す仕組みを通してご入居者様のADL改善とその先にあるプラスワンケアにつながるQOLサービスをご提供してまいります。
- ※ 1)2021年10月1日現在
- ※ 2)「健口眠体操」は、ライオン株式会社の登録商標です
- ※ 3)出典:厚生労働省「健康寿命のあり方に関する有識者研究会報告書」(2019年)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000495323.pdf - ※ 4)2022年1月27日ライオン株式会社発表プレスリリース
https://lion-corp.s3.amazonaws.com/uploads/tmg_block_page_image/file/7905/20220127_02.pdf - ※ 5)ゲームの要素や原則をゲーム以外の物事に応用すること
- ※ 6)2022年2月14日ライオン株式会社発表プレスリリース
https://lion-corp.s3.amazonaws.com/uploads/tmg_block_page_image/file/7932/20220114_01.pdf
ライオン株式会社 概要
- 所在地
- 〒130-8644 東京都墨田区本所1-3-7
TEL:03-3621-6211(代)
URL:https://www.lion.co.jp/ja/ - 設立
- 1918年9月
- 創業
- 1891年(明治24年)10月30日
- 資本金
- 344億3,372万円
- 事業内容
- ハミガキ、ハブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品、薬品等の製造販売、海外現地会社への輸出
- 代表者
- 代表取締役 社長執行役員 掬川 正純
TANOTECH株式会社 概要
- 所在地
- 〒254-0035 神奈川県平塚市宮の前1-4 パーレン平塚ビル5F
TEL:0463-73-5490(代)
URL:https://tanotech.jp/ - 設立
- 2018年6月
- 資本金
- 500万円
- 事業内容
- TANOの開発・国内外代理店
- 代表者
- 代表取締役 三田村 勉
HITOWAケアサービス株式会社 概要
- 所在地
- 〒108-6215 東京都港区港南 2-15-3 品川インターシティC棟
TEL:03-6632-7702(代) FAX:03-6736-5587
URL:https://www.hitowa.com/care-service/ - 設立
- 2006年11月
- 資本金
- 5,000万円
- 事業内容
- 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の運営等
- 代表者
- 代表取締役社長 袴田 義輝
報道に関するお問い合わせ先
-
HITOWA ホールディングス株式会社
広報企画室
TEL:03-6632-4929 - フォームからのお問い合わせ